胸郭出口症候群 胸郭出口症候群(TOS).view

胸郭出口症候群(TOS)の症状、原因、治療

【胸郭出口症候群の症状】・・・

胸郭出口症候群の症状は、「手や腕のしびれや違和感」を呈する自覚症状がありますが、腕神経叢もしくは、鎖骨の下の血管が圧迫を受けることによって起こります。
胸郭出口症候群3.jpg

自覚症状としては、

○しびれ

○熱感

○腫れぼったい感じ

○重たい感じ

○言葉で言い表せない違和感

○その他

などがあります。


神経根障害と似てるため、頚椎の異常(椎間板ヘルニア、骨の変形など)を除外する必要があります。除外する方法は、整形学検査によります。比較的簡単に検査できますが、医師に診断していただくことが大切です。



【胸郭出口症候群の原因】・・


胸郭出口症候群の原因は

○頚部の筋肉(斜角筋)による神経の圧迫・・・図の黄色の○部

○鎖骨と肋骨による神経の圧迫・・・図の黄色の○部

○先天的な要因として、頚肋と呼ばれる、頚部にある肋骨が原因で起こる圧迫

○胸部の筋肉によって神経が圧迫されるものがあります。・・・図の赤い斜線部



【胸郭出口症候群の治療】・・

胸郭出口症候群の治療は、まず、診断が重要です。上記の4つの原因の他に、「しびれや違和感」が出る病気が沢山あります。これらを除外する必要があります。


胸郭出口症候群の疑いがあれば、上記の4つの部位での異常を診断していきます。障害部位が判明したら、あとは治療をしていくだけです。比較的、予後は良いようです。


斜角筋の緊張(痙攣)を治療
前斜角筋、中斜角筋の緊張を和らげる操作や、ストレッチ体操、筋肉が付着している骨の操作{前斜角筋(頚椎3〜頚椎6の横突起)・中斜角筋(頚椎2〜頚椎7の横突起)が起始で、第1肋骨が停止です。}これらの骨の調整が効果的です。


肋鎖関節症候群を治療
鎖骨と肋骨の間にて、血管や神経が、居心地が悪くなった状態です。肩関節周辺の筋肉の緊張緩和、頚部の筋肉の緊張緩和、鎖骨や肋骨の変位を調整する事が大切です。姿勢を改善することも効果的です。


○頚肋がある場合の治療
診断はレントゲン撮影にて容易に判明します。両側の腕に症状が出ることも多く、解剖学的な問題は解決できません。姿勢の矯正や筋肉の緩和操作、寝具の変更や、骨格矯正が効果を発揮します。


過剰外転症候群の治療
過剰外転症候群は胸部の筋肉の緊張によって神経、血管が傷害されます。小胸筋という筋肉の痙攣が問題となります。肩甲骨の烏口突起から肋骨に走る筋肉で、腕を内転する働きがあります。顎を引き、肩をすぼめた姿勢となり、障害を引き起こすと考えられています。胸筋の緩和操作やストレッチ、姿勢の改善や、骨格矯正が効果を発揮します。

これらの症状のうち、治りが悪く、ひどいものは手術療法も行われることがあります。ただし、殆んどありませんし、胸郭出口症候群は、筋肉操作や骨の矯正や姿勢の管理によって、克服出来るといわれています。

過剰外転症候群

胸郭出口症候群で、頚部の筋肉によって腕神経叢や血管が、挟まれて出てくる自覚症状があります。


そのうち小胸筋と呼ばれる筋肉に挟まれて出てくる症状を、過剰外転症候群としています。
神経圧迫部位.JPG
過剰外転症候群は、胸郭出口症候群のうちの原因の一つですが、胸部の筋肉によって、腕神経叢、血管が圧迫された状態を言います。この筋肉は、小胸筋と呼ばれる筋肉で(絵の胸の部分の赤い線)、肩甲骨の烏口突起から肋骨にかけて走行している筋肉です。腕を内転させる働きがあります。


小胸筋の緊張状態は、上腕骨の内旋、肩甲骨の内方下方変位によって起きている可能性もあります。また、菱形筋僧帽筋の中部などの筋肉の弱化も考えられます。


小胸筋の痙攣による神経血管の縞扼は、ライトテストと呼ばれる整形学検査によって、比較的簡単に検査することが出来ます。


ライトテスト
自覚症状のある人に座ってもらいます。


○とう骨動脈を触診して脈を管理します。

○脈を管理している側の腕を肩より上の高さまで外転、そして外旋させます。

○この状態で再び脈を管理します。


脈の拍動の弱化や消失は、小胸筋の痙攣烏口突起の変形や肥大や変位などの兆候を示唆しています。


過剰外転症候群は、小胸筋の痙攣ですが、背筋群の弱化も原因の一つに挙げられます。胸筋群の痙攣を除去して、背筋群の強化は過剰外転症候群の治療になります。


このように、比較的容易に判断が可能ですが、医療検査は欠かせません。特に自覚症状が両側に出てきた場合は、脊髄病変が考えられます。また、筋肉の異常ではなく、腫瘍やその他の重大な疾患が隠れていることもあります。自覚症状がありましたら、まずは医療検査を実施してください。

斜角筋の痙攣

胸郭出口症候群で、頚部の筋肉によって腕神経叢矢血管が、挟まれて出てくる自覚症状があります。


そのうち斜角筋と呼ばれる筋肉に挟まれて出てくる症状を、斜角筋の痙攣によって起きた胸郭出口症候群としています。

斜角筋による神経縞扼.jpg

絵の赤い部分は前斜角筋です。青い部分は中斜角筋呼ばれる筋肉です。この部分では、この2本の筋肉の間を、頚椎より出てきた神経が、腕の方に走行します。また、血管も走行しいる為、ここでの圧迫は、腕にしびれや違和感を容易に発すると考えられています。


確かめる方法は、アドソンテストハルステッドテストなどを使用して、ある程度の予測が容易に出来ます。


ハルステッドテストは、
自覚症状のある人に座っていただきます。


○とう骨動脈の脈を取ります。

○脈を管理しながら、その腕を長軸方向(床の方向)に牽引(引っ張る)します。引っ張るのは第三者です。

○顎を上にあげます。(上を見るようにします)

○反対の腕にも、同じ操作をします

○左右で比較してみます。


もし、管理している脈が弱くなったり、消失するようですと、肋骨変位や頚肋の存在が疑われます。また、腕への放散する違和感は、斜角筋の痙攣を意味しています。


アドソンテストは、
自覚症状のある人に座っていただきます。

○とう骨動脈で脈を管理します。(脈を取るのは第三者です。)

○脈を管理しながら、頭を左右に傾けます。横を向いた時に、少し顎を持ち上げる姿勢をとります。この状態で、更に脈を管理します。


脈の減弱や消失は、斜角筋によって、腕神経叢、血管を圧迫していることを想像させます。


これだけでは、胸郭出口症候群を確実に判定することは出来ません。自覚症状が出てきたら、まずは、医療検査をしっかりと受けてください。パンコースト腫瘍やその他の重大な疾患が隠れていることも考えられます。


また、両側の自覚症状は特に気をつけなければなりません。脊髄病変が疑われ、進行しますと、排便の制御不能や筋麻痺等が出てくることも考えられます。医療検査は欠かせません。

頚肋がある人がいる

胸郭出口症候群に於いて、頚肋によって、神経や血管に物理的な刺激を加えて、症状を呈する場合があります。


通常は、肋骨は正常な人で片側12本ですが、先天的に頚部に肋骨を持った人がいます。肋骨は絵のように、胸部にしか存在しませんが、数パーセントの人には、頚部から肋骨の名残のような骨が見つかります。
頚肋.jpg
絵では、首の付け根辺りに、黄色い突起が出ています。これが下部頚椎6番から起きる頚肋です。


これをお持ちの方たちは、複雑な頚部の解剖学的な働きを、なおさら複雑にしています。そして、胸郭出口症候群のような、自覚症状が出て来やすいも考えられています。


検査は、レントゲン撮影で確定します。頚部を伸展し、回旋すると自覚症状は憎悪します。また、両側に自覚症状が出ることも多く、脊髄病変との鑑別が重要です。脊髄病変の場合は医療検査は欠かせません。


頚肋の場合は、骨を取ったり、削ったりする必要は無く、筋肉操作やストレッチに加えて、姿勢の矯正が効果を発揮します。筋緊張があるのは、頚部、胸部の前部の筋肉(斜角筋小胸筋)です。これらをストレッチまたは他の方法を使って、正常に戻します。そして、弱化した筋肉は、僧帽筋菱形筋ですので、これらの筋肉強化を行います。


頚部や肋骨の位置異常が正常化すると、肩甲骨の位置異常も正常化して、スムーズな生理作用が回復します。そして、胸郭出口症候群にも大いに効果が期待できます。

肋鎖関節症候群

胸郭出口症候群の原因の一つに肋鎖関節症候群があります。


肋鎖関節症候群は、第一肋骨と鎖骨の狭い隙間を通る動静脈と腕神経叢が、物理的に圧迫を受ける状態です。
神経圧迫部位.JPG
絵の黄色い線が腕神経です。鎖骨と肋骨の隙間で圧迫を受けます。

原因として考えられる理由は、


○重い荷物を背負っていることが多い場合や、仕事で重いものを背負っていることが多い場合

○鎖骨や第一肋骨の変位

○鎖骨や肋骨を骨折した後の、位置異常や変位


などが考えられます。


確かめる方法としては、肋鎖テストが、そのうちの一つです。自覚症状がある人に、座ってもらいます。そして、特に症状のある方の腕を、床の方に長軸に沿って引っ張ります。引っ張るのは、第三者です。


顎を少し引くことによって、斜角筋が緊張しますので、肋骨は上昇します。すると、鎖骨と第一肋骨下腔は狭くなります。ここで物理的に神経や血管を圧迫します。


片側のこともあれば、両側のこともあります。ただし、両側のしびれが出てきた場合は、脊髄病変が考えられますので、しっかりと医療検査を受けなければなりません。


脊髄病変は進行しますと、上位運動ニューロン障害へと発展し、排便の制御が出来なくなったり、筋麻痺へと移行することがありますので、十分注意が必要です。


肋鎖関節症候群の場合は、姿勢の修正や、緊張している筋肉の緩和、等が治療法となります。予後は良好です。

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群とは

肩から上腕、前腕、手部にかけての感覚異常です。感覚異常の中には、『痛み・しびれ・温度感覚の異常・腫れ』等が含まれます。実際は、例えようのない、はっきりした自覚症状でない事の方が多いです。特にしびれは顕著に感じることが多く、比較的多い疾患です。
胸郭出口症候群2.jpg
胸郭出口症候群は、首から出てきた神経叢と、腕から手に走行している動脈・静脈(鎖骨下動静脈)が、頚部・肩部・胸部のどこかで挟まれ、圧迫されて出てくる症状です。これらを縞扼(こうやく)と呼んでいます。


腕神経叢は、頚椎5番〜胸椎1番の神経根が、集合して出来上がります。上肢の末梢神経は、この神経根から成り、筋皮神経・腋下神経・トウ骨神経・正中神経・尺骨神経を形成します。


上記の絵の黄色い線が神経です。そして、赤い線は動脈、青い線は静脈です。これらの神経や血管が、鎖骨と肋骨の間を通り抜けて、腕に走行しますが、この部分には、筋肉が沢山存在しています。


そして、この神経や血管は、この筋肉の隙間をくぐりぬけて、腕に走行しています。ただでさえ、狭い人体の中を走行しているのですから、少しの不具合で、これらの神経や血管が圧迫されるのは、容易に想像できます。


この神経と血管を圧迫する部位は、おおよそ、4箇所に分類しています。したがって、自覚症状も人によって違います。比較的多い主訴は

○横になっているとしびれる

○とにかく腕がしびれているような感じ

○感覚が鈍い感じ

○腫れぼったい感じ

○指先がちりちりしますが、どの指だかはっきりしない

○片腕だったり、両腕だったりします

○その他

などです。

これらは、検査によって、比較的簡単に診断が可能です。また、胸郭出口症候群は、予後がよく、治療次第では、まったく後遺症なく治ります。重傷の場合は、手術療法もありますが、殆んどの場合は、リスクの伴う治療を無くして、治すことが出来ます。

姿勢が関係?

胸郭出口症候群の原因の一つに姿勢の問題があるといわれています。


姿勢の問題は、胸郭出口症候群に限らず、筋骨格系統の疾患には、少なからず係わります。胸郭出口症候群に於いては、頭部の前傾肩の前方への突出が、問題を生じています。
頚部の前傾と肩の前方変位 .jpg
リュックなどを、長く背負っていたりすると、胸部の筋肉が緊張、痙攣します。後部にある大きな筋肉の僧帽筋の中部や下部は、弱化して悪い姿勢を固定化してしまいます。


これを防ぐ為には、当然弱くなった頚部、胸部の腰部筋群の強化と、全部筋群の痙攣を除去しなくてはなりません。


一般的な対処方法としては、筋力強化ストレッチですが、不快な自覚症状があるわけですから、なかなかうまく出来ないのが現実です。


筋力強化とストレッチに近い効果を出す方法は、やはりクロストレーニングです。クロストレーニングは肩のみの運動ではなく、全身を考慮して動かしていくというものです。特に、骨盤を含めた下半身の筋力強化や、ストレッチは、上半身をを安定させて、本来の神経支配が戻ってきます。


筋力強化をせずとも、本来の体の使い方が戻ってきますので、異常な筋緊張は無くなり、弱化した筋肉が最大限筋力アップします。もちろん筋力強化運動をしたら、もっと強くなることでしょう。


ここで大切なことは、全身の姿勢が、本来のご本人の生理作用が営める状態に矯正するというよりも、『本来に戻る』といったことだと思います。

姿勢を正そうとしたら、 

○食生活を見直す

○仕事の姿勢を見直す

○運動を実行する

○クロストレーニングする

○下半身を安定させる

○長時間の一定姿勢を避ける

○症状が出る姿勢は避ける

○その他

などが参考として挙げられます。


胸郭出口症候群の原因は4種類に分類していますが、特に姿勢で起きる自覚症状は過剰外転症候群であり、胸部筋の小胸筋による圧迫が考えられます。これらの筋肉の正常化が、治癒には重要です。

片側か両側か?

胸郭出口症候群に限らず、しびれの症状において、両側の自覚症状であるのか、片側の自覚症状であるのかは、大変重要なことです。


特に脊髄病変神経根障害においての障害は、同じような症状でも、両側なのか片側なのかによって、まったく違った予後を呈します。


胸郭出口症候群に於いては、両側の場合と片側の場合とが有りますが、さほど原因に違いがありません。そして、予後は大抵の場合は良好です。


胸郭出口症候群の自覚症状は、あまりはっきりとした自覚症状でないことも多く、他の病気をしっかりと診断除外することが大切です。


脊髄病変の場合は、重症の場合は、運動神経の麻痺へと発展する恐れがありますので、症状が軽度でも、両側の自覚症状の場合は、必ず医療検査をしなければないません。


検査は整形学検査にて両側の症状(手のしびれが両手にある)があれば脊髄病変を疑います。最終的にはMRI等の画像診断で決定します。


急激な外傷や急激な感染症で、脊髄病変が起きた場合、脊髄ショックという症状が出てきます。はじめは下位運動ニューロン障害の症状が出ますが、膀胱や肛門の括約筋の制御障害を初めとする、上位ニューロン障害へ発展していく事がありますので、注意が必要です。


手や足に力が入らなくなってきたり、排便のコントロールがうまく出来なくなってきたり、動作がふらつく、電気が走るような痛みが出る、などが出てきたら要注意です。


急激な事故や転倒などで神経障害の症状が出てきたら、症状の大小にかかわらず、まずメディカルチェック(病院治療)が重要です。

テストと診断方法

胸郭出口症候群を診断する方法は、比較的容易に出来ます。ただし、医師の診断が重要ですので、必ず医療検査を受けるようにしてください。


まずは、しびれや違和感が出てきた時に、一番最初に疑うのは、脳疾患です。また、重大な疾患に発展していくものとして、糖尿病による血管障害や神経障害感染症腫瘍神経自体の病気などがあります。


これだけでも、医療検査の重要性が、お分かりただけると思いますが、これらの医療検査によって、上記の病気が除外された場合に、まさに、胸郭出口症候群が疑われます。


胸郭出口症候群は、通常は4つの原因に分類して、その障害部位を特定します。特定する方法は、レントゲン検査が一つです。レントゲン検査によって、頚肋が有るか無いかを、確かめなければなりません。頚肋がある場合は、比較的、両側の腕に自覚症状が出ることがあるようです。


更に、整形学検査によって、比較的簡単に障害部位を確かめられます。

○アドソンテスト
トウ骨動脈をみて、頚を左右に回旋します。斜角筋に痙攣があり、それが原因の場合は、脈が異常をきたします。弱化したり、脈が触れにくくなったりすることが多いです。

○ライトテスト
ライトテストは、腕を外転して、更に外旋すると、胸筋を牽引します。血管が影響されると、脈が弱くなったり、触れなくなったりします。この場合は小胸筋の痙攣が障害部位となります。

○肋鎖テスト
腕を軽度伸展状態で脈を取り、更に腕を長軸方向にそのまま牽引します。顎を少し引いてもらうように指示すると、鎖骨と肋骨の隙間を狭くするように働きます。ここで脈が弱くなったり、触れなくなったりした場合は、肋骨の鎖骨の間での障害が考えられます。


これらのテストを駆使して、胸郭出口症候群の障害の原因部位を、特定することが可能です。


ただし、ここに至るまでには、上記の重大な疾患を除外するべく検査することが、前提となります。

しびれの病気

胸郭出口症候群の他にも、しびれや違和感が出る病気は沢山あります。


しびれには、多種な病気が隠れています。しびれ自体が病気なのではなく、病気の症状として、しびれが自覚されるわけです。

○脳血管疾患
脳血管疾患は脳梗塞や脳出血があります。通常は片側の半身に異常が出ます。手のしびれのみで出てくる症状はほとんどないとされています。

○脳腫瘍
脳腫瘍は比較的ゆっくりと病状が進行していきます。自覚症状が出てきたらメディカルチェックが重要です。

○多発性硬化症
多発性硬化症は自己免疫疾患です。神経繊維を包んでいる絶縁繊維が壊れて伝達障害が起こります。目の異常、感覚の異常、筋肉の異常などが主に自覚症状として現れます。当然しびれの自覚症状が出てきますので、しっかりとし検査が重要です。

○神経根障害
神経根障害の原因は頚椎椎間板ヘルニア、頚椎の変形、頚椎のゆがみ(アライメント障害)などがあります。

○脊髄病変
脊髄病変の原因も神経根障害とあまり変わりません。ただし、脊髄病変は神経根ではなくて脊髄自体に対しての障害です。自覚症状は両側に出てきますが、悪化してしまいますと上位運動ニューロン障害へと移行する可能性がありますので、必ず両側の自覚症状はメディカルチェックが欠かせません。

○外傷後の血腫
血腫による神経圧迫による神経障害です。神経根障害にも脊髄病変にも成り得ます。内出血により神経を圧迫します

○頚椎、頚髄の腫瘍
腫瘍による神経の圧迫です。これも神経根障害にも脊髄病変にも成り得ます。

○変形性脊椎症
頚椎の変形による神経障害です。これも神経根障害、脊髄病変になり得ます。片側の痺れや両側のしびれが、どちらも出てきます。

○後縦靭帯骨化症
靭帯の肥厚や骨化によって脊髄神経を圧迫します。上位運動ニューロン障害へと発展する可能性があるため、しっかりとメディカルチェックを受ける必要があります。また経過観察をして悪化をしないような生活の工夫が必要です。

○ニューロパチー
両側に起こる神経の異常ですが、神経障害の原因は様々です。

○糖尿病
糖尿病による代謝障害は抹消神経に異常を生じます。糖尿病をお持ちも方は十分注意が必要です。

○手根管症候群
手首の骨の間を走行している正中神経の圧迫で生じる母指・示指・中指のしびれを言います。このしびれは頚椎部における神経根障害との鑑別が重要です。

○ギヨン管症候群
手首の骨の間を走行している尺骨神経の圧迫で起きる間指・小指のしびれを言います。このしびれは頚椎の神経根障害と鑑別が必要です。

○肘部管症候群
尺骨神経の肘部の骨と靭帯によってできたトンネル内での圧迫です。


これらの病気は、いずれもしびれや違和感が出てくる可能性がある病気です。的確な診断をすることで、適切な治療を早く開始することが出来ます。しっかりと医療検査をする事が大切です。中でも脳疾患によるしびれは、深刻です。急に出てきた自覚症状は、必ず医療検査をします。また、一度も検査をしたことがない方は、早めに検査を済ませておくことが肝心です。
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